今日のしまどん

激動の令和時代を生き抜く中で個人的に残しておきたい、もしくは気になったことを気ままに発信するしまどんのブログです。

【愚痴】営業予算管理についていろいろ考えてみた

はじめに 

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私の普段の仕事の中に、営業予算管理という仕事があります。

私の会社では「今年度いくら受注取ります」という当初定めた営業予算があって、毎月その計画に対して問題なくできているか、最新の年度受注見通しの報告をします。

 

最新の年度受注見通しは専用のシステムに入力することで、各部署の数字を管理部門が把握できるようになっています。とはいえ当初予算の策定以降、システムには正確な見通しは入れません。当初予算に対し現状の見込みが増えそうでも減りそうでも、なぜだか年度が始まってからしばらくの間は当初予算通りの数値を入力し続けるのです。

 

入力業務はかなり面倒くさい

 

単なる数字の入力だけであればいいのですが、この数字は今まで受注した案件の合計金額と今後の案件の受注予定金額の合計額から構成されています。既に受注したものは自動でシステムに反映されてくるため、急に計画外の受注があったり、あるいは受注金額に変更があったりすると、当初予算の金額から多かれ少なかれブレが生じます。放っておくと当初予算とブレのある金額が勝手に申告されてしまうので、毎月常に予算金額通りにするために各案件の金額をメンテナンスしていくのです。

さらにいうと「どのSE開発部署が担当するのか」という意味で、SE部署ごとにも当初予算が決まっており、全体だけでなくSE部署単位ごとに数字を合わせていかなければなりません。

まぁ結局悪く言えば管理部門やSE部門に対し、「一応今も当初予算通りの見込みだよ」と見せかけの数字を作っているということになります。実際に私自身この作業を「数字遊び」と呼んでたりします。笑

 

なぜ最新の見通しを入力しないのか①

 

当初予算に対し現状の見通しが高い場合、管理部門やSE部門にとっては良い話です。とはいえ年度が始まって間もないこの段階ではこの先何かの案件が失注し後々減少の見込みとなってしまうリスクもあります。当然すべての案件を取れることなどほとんどありません。そして一旦上回る数字をコミットしてしまい後々減少の申告をすると、その理由やその減少分のリカバリー策を求められたり営業が責められることになります。そのため今は上回る見込みがあったとしてもその通り入力(申告)をすることはないのです。

一方で当初予算に対し現状の見通しが低い場合は、今の段階ではまだこれから他の案件でリカバリーできる可能性があるため、「今はまだ低くなると申告しなくてもいいだろう」という意識が働きます。

 

手っ取り早く言うと、「管理部門やSE部門にとやかく言われたくない」ということです。これが年度末の追い込みの時期だと話はまた違いますが、年度が始まってしばらくの間は当初予算通りの申告をしておくことで極力あれこれ言われないようにしている、という話です。

 

なぜ最新の見通しを入力しないのか②

 

さて、前述のリスクが少なく当初予算を上回ることがほぼ確実であることが年度初めの段階で分かっている場合、それを今申告するべきでしょうか。営業が頑張ったということをアピールするのであれば、上回るという事実をしばらく隠しておいて年度末にかけて「危ない状況でしたが営業が頑張って追い込み、結果的に当初年度予算を上回りました!!」と報告する方が良くないでしょうか。

 

逆に早々に「既に当初予算を上回る見込みです!!」なんて申告をすれば、「当初予算の立て方が悪かったんじゃないか」「ちゃんと案件を管理できているのか」などとお叱りを受ける可能性もあります。

 

予算管理の意味とは

 

営業は最新の受注見込みを常に把握していますが、これを正確にシステムに入力するメリットが営業側にない以上、「正確な実態を把握する」という管理部門の本来の目的は全く果たせていないことになります。この仕組み自体ほとんど無意味ですし、そのために当初予算通りの金額になるように案件金額を毎月調整する私の手間には一体何の生産性があるのでしょうか...。

 

最新受注見通しは経営判断の重要な情報となるはずが、各部こんなことをやっていては先が思いやられます。営業がたとえ正確な情報を提供しても往々にしていろいろ突っ込まれるのなら仕方ないとも思えます。例えば隠さず申告させるために「当初予算を一番早く達成した部は何か貰える」等のインセンティブがあっても良いのかと思いますが、そうすると今度はそもそもの当初予算を低めに申請しようという動きが出てくるのかもしれません。うーん生々しいですね。笑

 

ゲーム理論的な考え方

 

営業の立場でこれをやられると嫌なのですが、合理的判断に基づいて正確に申告させるというアプローチもあります。人間の意思決定や行動の相互依存的状況を数学的なモデルを用いて研究する「ゲーム理論」という学問の中に、「囚人のジレンマ」という有名なモデルを応用してみます。

 

「囚人のジレンマ」自体は次の通りです。

共謀して罪を犯して捕まった囚人AとBに自白させるため、検察官はA・Bそれぞれに次のような司法取引を持ち掛けます。一方だけが自白すればその囚人は無罪になります。

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A・Bにとっては互いに「自白」するよりも、お互い「黙秘」するほうが懲役も短く得です。ただ互いがどう行動するか分からない状況下において、AはBがどういう選択をしてきた場合でも最適な行動を取るべきです。Bが自白してきた場合「自白」したほうがベストであり、一方で黙秘してきた場合も「自白」した方がベストであるため、Aは「自白」という選択肢を取ることになります。Bにとっても同様の状況であるため、本来お互い「黙秘」したほうがよかったものの、両者とも「自白」を選んでしまうというものです。

 

これをそのまま下記のように見通し申告に適用します。一方が正確に申告し他方が嘘の申告をしていた場合、それぞれ「来年度の予算を10億少なくする」、「10億高く設定させる」という条件とします。もちろん部署A・B間で他方がどう行動するか分からない状況下とする必要はありますが、どちらの部署も正確に見通し申告するようになるヒントが多少はあるのではないでしょうか。

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おわりに

 

見通し値を入力する私からすると、どうせ入力するならちゃんと意味のある数字を入力したいという思いがあります。ただその結果自部署が損するのも嫌なので、正確な数字を申告しやすい環境・制度を管理部門はもっと意識すべきです。ただここまで考えたものの平社員の立場ではそんなこと言えるわけもなく、まぁ変わらないでしょうね。笑